一話目はJW-CADとAUTOCADで使われるDXFの話
建築の現場でCADといえばJW-CADが大変人気です。無料ということもあって多くの現場で使われています。一方、電気、設備や土木の業者はAUTOCADを利用されているケースも多く聞きます。ところがJW-CADとAUTOCADのデータはDXFというファイル形式で受け渡しをおこなうことになるのです。ですから、JW-CADからの場合は、単純にDXFファイルで保存でよいのです。ところがAUTOCADの図面保存形式は、驚くほどバージョンが多いのです。(過去の遺産の有効活用の意味で)
AUTOCADの図面ファイル形式は2018版で、これだけの数があり、DXFはさらに二種類のファイル形式があるのです。
- AutoCAD 2018 / LT 2018図面
- AutoCAD 2013 / LT 2013図面
- AutoCAD 2010 / LT 2010 図面
- AutoCAD 2007 / LT 2007図面
- AutoCAD 2004 / LT 2004 図面
- AutoCAD 2000 / LT 2000 図面
- AutoCAD R14 / LT98 / LT97 図面
- AutoCAD 標準仕様図面 (DWSファイル)
- AutoCAD 図面テンプレート (DWTファイル)
- AutoCAD 2018 / LT 2018 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD 2013 / LT 2013 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD 2010 / LT 2010 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD 2007 / LT 2007 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD 2004 / LT 2004 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD 2000 / LT 2000 DXF(バイナリとテキストがある)
- AutoCAD R12 / LT2(バイナリとテキストがある) <- JW-CADへデータを渡す場合、この形式の「テキスト」を利用
もちろん最新バージョンのAUTOCADはさらに・・・
問題はAutoCAD R12/LT2 DXF形式(テキスト形式が確実)で保存が広まっていない
JW-CADからAUTOCAD系(互換含む)のDXFファイルを受け取る場合「R12/L12のテキストファイルをください」と相手側につたえなければほかの形式のDXFだと読み込めないのです。また、R12のバージョンはAUTOCADでは線の太さがありますがその情報は削除されています。いずれにしてもJW-CAD側の印刷時の設定で線の太さの指定が必要です。ここで困った話をさせていただきます。建築の施工図は施工図屋さんがほぼJW-CADを利用している関係でJWW形式のファイルとDXF形式(もちろんAUTOCADでも読めるR12/L12のテキスト形式)で納品されるケースがほとんどです。受け取った施工会社はそれをもとに確認作業する場合に、たとえばエレベーターメーカーからもらったDXFファイルと重ねたいと考えた時に問題が発生します。
- R12/L12のテキスト形式でない
- 縮尺が違う
- 縮尺が同じなのに「図面を合成するとサイズが違う」
- レイヤごとに縮尺が違う図面がある
さまざまな問題からJW-CADとAUTOCADの図面合成は苦労を伴います。ですがこのあたりの情報が非常に薄いのです。そしてJW-CADはフリーソフトのため、問題解決の相談をできることがありません。唯一たよれるとしたらJW-CADに詳しい知り合い(SNSを含めて)に訪ねるか、自力で検索して問題を解決するしかありません。
そもそもDFXにバイナリとテキストの2形式がある理由
かつて、NECのパソコンでPC-98とよばれ、Intelの32ビットCPU搭載の当時、著者のようなオタクの憧れとなったPC-98RAという機種がありました。このコンピュータ上でMS-DOSと呼ばれるOS上で動くAUTOCADを使う機会がありました。そのときAUTOCADはLispという言語を利用していると聞いたのです。Lisp自体はそれより古い時期にプログラム言語を学習していた時代に知った言語でした。そのときからAUTOCADの独自性に注目していました。
データ形式はテキスト形式でテキストエディタで読み込め、なんとなくですが意味が解るものでした。その形式を残しバイナリ形式のただの数値が並ぶデータ形式となり双方そのまま継続していくことになったのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AA <- Wikipediaのバイナリの解説を参考に。 (バイナリとは2進数で表現されるデータ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88 <- Wikipediaのテキストの解説を参考に。 (テキストとは文字列によって表現するデータ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/DXF <- WikipediaのDXFファイルの解説を参考に。
https://ja.wikipedia.org/wiki/AutoCAD <- WikipediaのAUTOCADの解説を参考に。
http://manualchair.html.xdomain.jp/index.html <- AUTOLipsの解説を参考に。
http://manualchair.html.xdomain.jp/index.html <- AUTOLipsの解説を参考に。その2